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格安SIMとは?MVNOの仕組み・安さの理由・速度のリアル・選び方まで完全解説

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スマホ代をもっと安く。けれど、安くなる仕組みや速度の実情がわからないまま選ぶのは不安——そんなあなたへ。この記事では、格安SIMとMVNOの本質を、独特の事業構造と技術的な背景から丁寧に解きほぐします。「回線を借りるってどういうこと?」「なぜ安いの?」「速度が遅いって本当?」といった疑問を、道路と車のたとえを使いながらスッと理解できる形で解説。最後には、失敗しない選び方のチェックリストも用意しました。

目次

格安SIMの最初の一歩:SIMカードとサービスの基本

SIMカードとは何か

SIMカードは、スマホやタブレット、携帯電話、モバイルWi‑Fiルーターに挿して使う、小さなICカードです。契約者を識別する固有IDが記録され、モバイル回線でインターネットや通話を行うために欠かせない“鍵”の役割を果たします。

「格安SIM」とはサービスの呼び名

格安SIMとは、NTTドコモ・au・ソフトバンクといった大手キャリア(MNO)の回線を借りて、インターネットや通話サービスを提供する形態の総称です。単に「安いSIMカード」という意味ではなく、MNOの回線を活用して提供されるサービスモデル全体を指します。

MVNOとMNO:“仮想”と“自社回線”の本質的な違い

用語の整理

  • MNO(Mobile Network Operator):自社で基地局などの通信インフラを保有・運用する移動体通信事業者。日本では「ドコモ」「au」「ソフトバンク」「楽天モバイル」が該当します。周波数帯は総務省から直接割り当てられます。
  • MVNO(Mobile Virtual Network Operator):大手キャリアの回線網を借り受けてサービスを提供する“仮想”移動体通信事業者。自社で基地局を持たないのが特徴です。

ポイントは“Virtual(仮想)”。MVNOはMNOの回線を借りることで、通信サービスを実現しています。制度面では、MNOは回線提供の依頼に応じる義務があり、MVNOはMNOに接続料金を支払います。これにより電波の独占を避け、競争が働く仕組みが整っています。

「格安SIM」の3つの系譜

  • MVNOが提供する格安SIM:MNOから回線を借りて提供。
  • MNOのサブブランド:ドコモはahamoやドコモmini、auはUQモバイルとpovo2.0、ソフトバンクはワイモバイルとLINEMOなど。
  • 楽天モバイル:自前設備を持つMNOだが、料金の安さから格安SIMに含めて語られることがあります。

なぜ安い?コスト構造で読み解く「格安」の正体

インフラ投資を抑えられる

MVNOは基地局や広域ネットワークを自前で持ちません。土地・設備・保守といった巨額コストを回避でき、MNOには回線のレンタル料を払うだけ。このコスト構造が安さの土台です。

オンライン中心の販売で販管費を圧縮

格安SIMはWeb申し込みが中心。実店舗を持たない事業者もあり、テナント料や人件費などの販売コストを削減できます。この分が料金に反映されます。

サービスをシンプルにして人件費も最適化

キャリアメールのような自社メールや対面窓口など、フル装備のサービスを省くことで、開発・保守・運用の人件費を抑えます。

価格の実例

たとえばHISモバイルは1GBで月額590円。対してNTTドコモは1GBで1,815円、auは1GBで2,178円、ソフトバンクは3GBで2,178円。20GBでも、HISモバイル2,178円に対し、ahamo2,970円、povo2,700円、LINEMO2,728円と、差は明確です。

通信速度と品質のリアルを“道路”で理解

エリアは同等、でも速度には構造的な差

MVNOのエリアは、借りているMNOのものに依存するため、基本的には同等です。ただし速度は別。借りた回線容量をユーザー同士で「分け合う」ため、混み合う時間帯は遅くなりがちです。

道路と車のたとえで直感的に

回線は「道路」、データは「車」。車が多い時間帯(朝夕の通勤通学、お昼休み、イベント会場など)は渋滞して速度が低下します。MVNOが借りている“車線”が多ければ流れは良く、少なければ混みます。各社が公開する速度は参考値で、実利用の速度を保証するものではありません。

速度改善はできるが、時間がかかる

利用者が増えればMVNOは回線の増強を検討しますが、実装までには一定の期間が必要です。選ぶ側は直近だけでなく数カ月〜数年の速度傾向や、事業者がどんな対策をしてきたかも確認すると、判断の精度が上がります。

ユーザー視点のメリットとデメリット

メリット

  • 圧倒的に安い:20GB+5分以内かけ放題で定価3,278円といったMNOの新プラン登場後も、MVNOはさらに値下げして価格優位を保っています。
  • プランの柔軟性:低容量(〜5GB)、中容量(6〜20GB)、大容量(21GB〜)、無制限、かけ放題オプションなど、ニーズに合わせて選べます。
  • オンラインで完結しやすい:本人確認や支払い設定までWebで手続き可能。MNP(番号そのまま乗り換え)にも対応します。

デメリット

  • 時間帯で速度が落ちることがある:特に夕方などの混雑時に影響。事業者間の差も出やすい領域です。
  • 対面サポートが少ない:申し込みや初期設定(SIM挿入、APN設定など)を自分で行う場面が増えます。
  • キャリアメールの扱い:継続利用できる場合もありますが、手続きや月額料金が必要。解約後31日以内の申し込み期限など条件にも注意が要ります。

どこで契約する?購入チャネルとSIMタイプ

購入チャネル

  • 公式通販:事業者サイトから申し込み。
  • ネット通販:Amazonや家電量販店のオンラインストア。
  • 家電量販店の店頭:専用カウンターが併設されている売り場もあり、設定相談やサポートを受けられる場合があります。

3つのSIMタイプ

  • 音声通話SIM:データ通信+音声通話(090/080などの番号)+多くはSMSも利用可能。
  • データ通信SIM:データ通信のみ。
  • データ通信SIM(SMS付き):データ通信+SMS。

タイプを間違えると後から変更できないことがあるため、用途に合わせて事前に選択しておきましょう。

契約のコツ

  • 最初は小さく:いきなり大容量を選ばず、月ごとに変更できる前提で少なめからスタートすると無駄がありません。
  • サービス内容の違いを理解:MNOはショップ相談、端末の分割購入、保証やコンテンツサービスなど、サービス面の手厚さが大きなメリットです。

市場動向:膨大な選択肢と新陳代謝

700以上の選択肢、競争で磨かれる市場

格安SIMは700以上あるとされ、イオンモバイル、IIJmio、mineo、BIGLOBEモバイル、日本通信SIM、LIBMO、X‑mobile、NUROモバイルなど多くのブランドが存在。多様なプランとキャンペーンで競争が進み、利用者の選択肢が広がっています。

撤退・再編も起きている

競争が厳しいがゆえに、市場からの撤退や新規受付終了の例も見られます。たとえば、irumoは2025年6月4日に新規受付を終了。Wonderlinkは2025年3月にサービスを終了しています。

どんな人に向く?

  • MNOが向く人:最新・高スペック端末を分割で購入したい、通話品質やサービスの厚みを重視したい。
  • MVNOが向く人:とにかく料金を下げたい、オンラインゲームや動画視聴を頻繁に行うヘビーユーザーではない。

失敗しない選び方チェックリスト

  • 月々のデータ使用量を可視化:平均使用量と月ごとのブレを把握。プラン選択の基準になります。
  • 使う回線を決める:行動範囲でのつながりやすさを重視し、「どの回線(ドコモ系・au系・ソフトバンク系など)を使うか」を選択。プラチナバンド(700〜900MHz帯)の可否は屋内・地下でのつながりにも影響します。
  • 速度の“傾向”をチェック:直近の実効速度だけでなく、数カ月〜数年の推移や回線増強の取り組みも確認。
  • オプションの有無:自分に効く特典があれば実質コストは下がります。例:OCNモバイルONEの「MUSICカウントフリー」は対象音楽アプリのデータ消費をカウントしない仕組み。
  • サポート体制と購入経路:オンライン完結か、店頭サポートが必要か。自身のスキルと安心のバランスで選ぶ。
  • まずは小容量で試す:足りなければ翌月以降に増やせるプラン設計を。

まとめ:格安SIMは“仕組みを知って選べば”強い味方

格安SIMの安さは、回線を借りるという事業構造、オンライン中心の販売、シンプルなサービス設計という三位一体のコスト設計から生まれます。一方で、借りた回線をユーザーで分け合う構造上、混雑時間帯の速度低下は避けにくい現実も。だからこそ、自分の使い方に合う容量と回線、速度傾向、サポート形態を見極めることが、満足度を左右します。

市場には700以上の選択肢があり、サブブランドや多彩なMVNOがしのぎを削る一方で、撤退や再編も進む成熟局面に入っています。今後は5Gの普及、IoT機器の増加、リモートワークの定着によりニーズがさらに多様化。MVNOには、より専門化されたプランや用途特化のサービスが期待されます。ネットワーク仮想化の進展による制約の緩和にも注目。格安SIMは、通信市場の健全な競争を後押しし、わたしたちに“選べる自由”を与え続ける存在であり続けるでしょう。

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この記事を書いた人

お得で使い勝手の良い格安SIMについて調査、発信をしています。
毎日使う携帯電話だからこそ、1円でも安く、お得に使えるように情報発信を心がけています。

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